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イ 誰もが利用しやすい柔軟な運営
施設のこれまでの運営は、利用者の多様化に関わらず、ややもすると画一的、形式的になっていた面がある。例えば、学校利用か家族利用がといった利用団体の特性等に配慮することなく、起床から就寝までの生活時間や朝夕の集いなどについて、一律に適用することにより、その利用計画を制約してしまうといった例が見られた。このため、国立青年の家・少年自然の家は堅苦しいというイメージを抱かれるばかりでなく、場合によっては、利用の目的が必ずしも十分に達成できないといった問題点も指摘されている。
こうした点については、多様な利用者の多様な利用目的に適切に対応していくという観点に立って、柔軟で合理的な運営に転換を図る必要がある。

 

ウ 飲酒の問題
青少年教育施設の運営において、利用者間のコミュニケーションを促すことは非常に重要である。これまで、国立青年の家・少年自然の家では原則として、成人についても飲酒を認めていなかったが、今後は、場所や時間など、一定の節度が保たれるよう配慮しながら、場合によっては柔軟に対応していくことが必要であろう。

 

エ 青年の家と少年自然の家の区分と名称
現在、青年の家と少年自然の家の利用者層が多少重複している状況が見られるが、少年期と青年期では異なる様々な課題を有しており、それぞれ個別の対応が求められている、したがって、青年の家は青年のみ、少年自然の家は少年のみというように利用対象を限定する必要はないにしても、施設の区分についてはこれを残し、それぞれの施設においてその専門的役割を実現していくことが重要である。
なお、「青年の家」、「少年自然の家」という施設の名称については、これまでの堅苦しいイメージを払拭するためにも、施設ごとに親しみやすい愛称を用いることも考えられる、

 

?B受入れ事業のプログラムの充実
ア 活動プログラムの充実
施設の利用の大半を占めるのが受入れ事業であり、その充実を図ることは極めて重要な課題である。これまでも、国立青年の家・少年自然の家は、各施設の特色を活かした多様な活動プログラムの開発に努めてきたが、今後一層の充実を図るため、各施設の個性を十分に発揮するとともに、周辺の関係施設や事業等とも積極的に連携しながら、魅力ある活動ができるようにしていくことが必要である。

 

イ 利用目的に応じた適切なアドバイスと利用者の参画
活動プログラムの提供に際しては、単にメニューを提供するというだけではなく、利用の目的や活動のねらいに応じ、それが効果的に達成できるよう、相談機能を充実し、プログラムの実施方法にまで踏み込んだ専門的なアドバイスを行っていくことが必要である。このことは、利用する側においても、漫然と活動するのではなく、活動についての目的意

 

 

 

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